二人羽織

メンタルクリニックにて １

真っ白な空間で、あたしは彼に呼び出された。いつもの部屋と違う......
仰向けか..... 天井が高い。
あれ.......... 何このベッド..... 狭っ。 にしてもヘンな所。
だって壁全体がシートみたいなクッション？で覆われてるんだもん。
あっ、誰か居る!!!!!!! 白衣を着た綺麗な女の人があたしに寄り添って......
呼び出されたきっかけが直感で分かっちゃった。
でも、こんなシチュエーションは初めて..... 　ああ..... 物凄い性欲........ . ..

そっか、そー言うことかあ....... え？　あ　なんでも...... こっちの話です.....
ってか遂に来ちゃったんだ...... セーシンビョーイン....... 　ココそうでしょ？..... .
え、あたしの名前ですか.....『 忍 』ですよ...... うん、彼と一緒です.....
これは彼の母親がね、女の子が産まれたら付ける筈だった名前なの......
どーしても女の子が欲しかったらしくって、結局彼にその名前をつけちゃった。
産まれてからしばらく、女の子用の服を着せてたらしいから...... え？　
ううん.... あたしにその記憶は無いです....... いえ、誰から聞いたんでもなくって.....
えっと.... 彼の母親の手紙が........ その.... 手紙の内容が...... . ああ...... . イヤ.....
ああっ!!!!　..... って..... . ゴメンナサイ.... つい....... 思い出しちゃって....... . . .
..... 向こうまで聞こえちゃいました？ え..... 　大丈夫？　　
..... あのシートみたいなのですか？　防音壁ですか...... へえ。
所で今日は何日ですか？　........　あ、やっぱり一週間も早いや........
はい。このカラダが『　彼のモノ　』だってのは知っています。