妄想する

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お盆になると、二人とも大ばあちゃんたちのお墓に参るため、家族を連れて遊びに来てくれる。 マメなのはお嫁さんのおかげかなあ。 それとも案外、息子ら自身がマメなのかも知れない。 「ママ」 小玉スイカを分け合いながら仲良くゲームをしている孫達を尻目に、長男が私に話しかけてきた。 長男が私に『ママ』などという時は、大概ろくなことがない。 「何の頼みごと? 優樹の面倒やったら、見たるけど」 小学校に通い始めたら、嫁が働きに出ると言っていた。 「うん、それも頼みたいんやけどな、俺、マンション売るさかかい、同居したいねん」 ……マジか? せっかく自由の身になれたのに。 いや、どうせぼけたら、世話にならなアカンかもしれへん。 様々な考えが過ぎる。
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