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「……幸せかもしれない」
「いきなり立ち止まって、何を言い出すの?」
「ごめん。つい、考えちゃってさ。だって凄い星空なんだもん」
「そりゃあ、晴れていれば星は見えるでしょうが」
「いや、あたしが住んでるとこだと、晴れてても星なんかろくに見えないよ? ネオンとか街灯とかで明るいし、空気も澄んでないからね」
「……そんなに見えないもの?」
「ここを出るまでは、夜空には星が見えるものだと、疑いもしなかったけど」
「それじゃあ、偶には星を見に帰って来なさいよ。付き合ってあげるから」
「そうだね。一人だけで見るのは、ちょっと勿体ない」
「あれ? 一人だと寂しいとか言うのかと思った」
「確かに、それもあるけどね」
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