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俺が同類だと知らなかったトモハルは驚いていたが、現在フリーなので相手をしてくれると助かる、そう続けると、おまえさえいいのならと乗ってきた。 その日以来、月に何度か身体を重ねてる。   実際のところ。 俺はトモハルのことが好きだ。 好きだから、身体だけの関係でもいい、そう思っての提案だった。 ……なのに。 関係を続ければ続けるほど、苦しくなっていく。 互いに相手ができれば解消されるはずの関係だったのに、一年もたったいまでも、終わる気配はない。 「……レオ。 じゃあ、帰るな」 「……ああ」 今日もけだるい身体で、鏡越しにトモハルを見送る。 「……」 また、沈黙した彼に……思わず起き上がってその顔を見た。
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