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……初めから好きだった?
なにそれ?
なら一年も何故云わない?
「きっと、ただ断ち切るなにかが欲しかったんだと思う。
それがレオだった。
あいつと笑いあえる関係に戻って、レオが好きだって心の底から思えて。
云うタイミングを計ってたけど、なかなか」
「……嘘、つくな」
「本気だ。
帰るとき、おまえがちゃんと俺の顔見たら云おうと思ってたのに、全然こっちを見ないから」
「……」
苦笑いを浮かべるトモハルに、なにも云えない。
いつも別れが淋しくて、顔を直接見ることはしなかった。
「今日は俺の顔、見てくれたから」
「……そうか」
トモハルがにっこりと笑って、頬が熱くなっていく。
そんな顔を見られたくなくて逸らしたら、さらにトモハルが追い打ちをかけた。
「で?レオの返事は?
俺の予想では……両想いだと思うんだけど?」
【終】
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