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「これで終わり」
少年は、死に対して怖さを感じていない。だから少年は、ニコリと微笑んだ。
ーー実際は、恐怖が頭の中を支配して、少年の小さな手と体は、ぷるぷると震えていたが。
少年が、一歩を踏み出そうとした、その時。
「にゃぁ」
背後から猫の鳴き声が聞こえた。ビクッとして後ろを振り返る少年。
さっき蝶々を追いかけていた野良猫だった。よく見ると追いかけられていた蝶々も、一緒にひらひらと宙を舞っている。
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