月が綺麗だね

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「月が綺麗だね」 私の問いにアイツは虚を衝かれたような顔をする。 「えっ?うん、まぁ、そうだな」 別に、月の綺麗さを同意してほしくて言ったわけではない。 まぁ、アイツには絶対伝わらないだろうなとは思ってはいるが。 「それより早くみんなのとこ行こうぜ」 ジュースの入ったビニール袋を掲げながら、アイツは屈託なく笑った。 「そうだね」 私は何事もなかったかのようにアイツの後ろを追いかけた。 ―月が綺麗だね― 察しろよ、バカ。
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