第2章 唐突すぎる覚醒と始まり

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数分後、充血していた目が元に戻った事を確認した僕達は、家の近くの農道をトボトボと歩き始めた。 「カプリス、今日はどこに行くんだ?」 家を出る前から考えていた問いを投げかけた。 「そーだなぁ…港辺りまで行って、あとは森で適当に散策って感じかな。」 顎に手をやり、考え付いたのかニッコリ笑ってこちらに目線を合わせた。 「港かぁ…今日はどんな魚揚がってるんだろう?って、森は昨日も行ったじゃん!」 「いや、でも森広いからさ、全部は見切れてないだろうし…やっぱ面白いし、楽しいじゃねぇか。そうやって、文句言う癖に結局一番はしゃいでるのカルミアの方じゃん。」 グサッ あちゃー、痛いとこ突かれたなぁ… ま、確かにカプリスのこと言えないけど。 「取り敢えず、時間食うのやだし…」 そう言って、髪を風に靡かせ、クルリと身体の向きを後ろへと変えながら、 「そろそろ行こうよ。」 と言って、ピタリと止まり、首を軽く傾げた。 お気に入りの白のショルダーバッグが、遅れて止まる。 「って、スルーかよ!?まあ、それもそうだから…別にいいけどな。」 誤魔化しついでの催促が効いたのか、カプリスはすぐに同意した。 それから僕達は、農道から港まで行ける道へと移動し始めた。 ちなみに今から行く方は港への近道なんだが… この辺の人でさえ避ける場所を通るルートだったりする。 要は、キケンだけど時短には最適って事。 恐怖心より好奇心が勝る僕らは、あんまり気にしてない。 気にする時間すら、惜しいのだから。
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