3人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
数分後、充血していた目が元に戻った事を確認した僕達は、家の近くの農道をトボトボと歩き始めた。
「カプリス、今日はどこに行くんだ?」
家を出る前から考えていた問いを投げかけた。
「そーだなぁ…港辺りまで行って、あとは森で適当に散策って感じかな。」
顎に手をやり、考え付いたのかニッコリ笑ってこちらに目線を合わせた。
「港かぁ…今日はどんな魚揚がってるんだろう?って、森は昨日も行ったじゃん!」
「いや、でも森広いからさ、全部は見切れてないだろうし…やっぱ面白いし、楽しいじゃねぇか。そうやって、文句言う癖に結局一番はしゃいでるのカルミアの方じゃん。」
グサッ
あちゃー、痛いとこ突かれたなぁ…
ま、確かにカプリスのこと言えないけど。
「取り敢えず、時間食うのやだし…」
そう言って、髪を風に靡かせ、クルリと身体の向きを後ろへと変えながら、
「そろそろ行こうよ。」
と言って、ピタリと止まり、首を軽く傾げた。
お気に入りの白のショルダーバッグが、遅れて止まる。
「って、スルーかよ!?まあ、それもそうだから…別にいいけどな。」
誤魔化しついでの催促が効いたのか、カプリスはすぐに同意した。
それから僕達は、農道から港まで行ける道へと移動し始めた。
ちなみに今から行く方は港への近道なんだが…
この辺の人でさえ避ける場所を通るルートだったりする。
要は、キケンだけど時短には最適って事。
恐怖心より好奇心が勝る僕らは、あんまり気にしてない。
気にする時間すら、惜しいのだから。
最初のコメントを投稿しよう!