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そして、俺は葵さんが用意してくれた部屋に住むことになった。
学校の寮やREDの部屋より快適そうな暮らしができそうだ。
「赤にとって、北斗くんがいらないかもしれない。けど、この家に居座る必要がきっとある」
葵さんはそう言っていた。
この言葉を信じたわけでもない。
納得もしていない。
それでも、ここに住もうとした訳は葵さんが口だけ動かして言っていたことがあった。
俺は読唇術を身につけてないから、何と言っていたのかはわからない。
ただ、気になるんだ。
"君はここに居る必要がある"
言われているようで。
赤もそうだが、葵さんも分からない人だ。
自分自身のことをさらけ出さない人。
好きなものだけしか。
俺は考える。
俺はどんなところに入り込んだのだろう。
赤や葵さんがいる存在というような世界。
俺は今、どんな立場にいるのだ。
俺はそれをいつか知ることができるだろうか。
もう、蚊帳の外なのか。
そう思うとあの喫茶REDの日々から離れることが寂しい。
葵さんは喫茶REDに行ってはダメとは言ってなかったから、気まぐれに行くことはできる。
ただ、赤に会うのは気まずいな。
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