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「行った?」
葵さんと北斗が行った後、すぐに赤さんが現れる。
北斗のことを避けているようだった。
何があったかは気にしない。
今、喫茶REDにいるのは赤さんとマスターと俺紫堂だ。
赤さんは北斗やマスターに当たる程ではないけど、機嫌が悪そう。
カウンター席に寝そべっている。
「行ってしまったが、いいのか?」
マスターは赤さんに尋ねる。
赤さんはうんと頷くだけ。
真面目な話みたいだったから、何も聞かない。
それにしても、赤さんが喫茶店の方にいるのは珍しい。
2階でコーヒーを飲む姿も見たことないが、いつも自分の部屋にこもっているから。
ここに長い時間、赤さんがいることが新鮮。
赤さんに聞いてほしい話があるから、チャンスだ。
2人が黙ったら、赤さんに話を聞いてもらおうと思う。
赤さんは何も頼まず、ただ寝そべる。
マスターは黙ってグラスを拭く。
2人を見ていると、空気が暗い感じがする。
俺はこんな話するのは場違いか。
俺、ここにいていいのか?
でも、追い出すような空気ではない。
まぁ、様子を見るとしますか。
「赤さん、聞いてほしい話があります」
赤さんは俺の方を向いて、何?と言った。
話しても大丈夫。
「紫堂君、依頼かい?」
マスターも興味を持ったようだ。
それも悪ふざけもつけてきた。
「違います。聞いてほしいだけ」
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