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「ここは喫茶REDだから、赤さんの希望を潰したら、怒られるもんな」
紫堂はそう思っているみたいだが、店名が赤がつかなければ、暴力と言う凶器を用いられるだけ。
店名と幽霊退治の報酬以外はマスターが好き勝手にやっている。
赤は赤色に終着してれば、大抵大丈夫。
「面倒くさそうな人がふたーりー」
俺の隣から聞こえた声。
俺のノートの内容の文を読んでいる女の人。
お団子頭で青い着物。
赤とは全く逆の人に見える。
全体を見て青い人。
例の人だ。
例の人が"青い人"を予想して書いたノートを声に出して読んでいる。
「面倒くさい2人か。北斗君、失礼だぞ」
マスターから、突っ込まれる。
というより、いつの間に俺の隣に青い人が座っているんだ。
ドアに付いた呼び鈴の音もしなかった。
紫堂も知らん顔をして、コーヒーゼリーを食べている。
気付いてないかもしれない。
「葵さん、彼が赤から赤斗と呼ばれている北斗くんだ」
マスターは青い人、葵さんという人に話をかける。
葵さんはどうもと微笑みながら、軽いお辞儀をする。
「北斗君、どうだね。葵の花のような感じの方だろ」
マスターはひそひそと俺に話す。
もしかして、青い人という意味は"青"という意味ではなく、花のような"葵人(あおいひと)"と言いたかったのじゃない。
俺は思う。
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