あか

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「マスターのゼリー最こーうー」 黒色をしたゼリーと茶色の色をしたゼリーが葵さんのところに置いてある。 ゼリーの上に生クリームをつけるサービスまでしている。 俺のゼリーには一つもそんなことなかった。 俺のゼリーだけでなく、紫堂のにもだ。 紫堂は他のゼリーには気にせず、食べる。 葵さんは黒色ゼリー、コーヒーゼリーをペロリと食べる。 「おかわーりー」 空になった皿を渡す。 「はいはーい」 マスターは葵さんのお願いに嬉しそうに聞く。 冷蔵庫から、新たなコーヒーゼリーを出す。 生クリームを足して、コーヒーゼリーが葵さんのところへ。 葵さんは茶色のゼリーを食べている。 「この紅茶のゼリーもおいしい」 葵さんも嬉しそう。 だが、俺は疑問に思う。 いつ紅茶のゼリーを作ったのか? 冷蔵庫を見ても、コーヒーゼリーしか入ってなかった。 「コーヒーゼリーと紅茶のゼリー、両方作るの大変じゃなかーたー」 葵さんは聞く。 「いえいえ、午前中に紅茶のゼリーを作って、冷蔵庫の奥に入れといて、午後にコーヒーゼリーを作りました。葵さんの為に」 葵さんはニコニコゼリーを食べている。 俺がいない時間に紅茶のゼリーを作っていたのか。 もしかしたら、冷蔵庫の奥のゼリーが紅茶だったかもしれない。 俺は奥にあるゼリーもコーヒーゼリーだと思い、チェックしていなかった。 俺は今日のマスターが口説いと思った。
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