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「そういえば、葵さん。赤さんは一緒じゃないんですか?」
紫堂は葵さんに馴れ馴れしく話をかける。
「紫堂くーんー。赤は自分の部屋にこもっていーるー」
いつの間に紫堂の名前を知ったのか、葵さんと紫堂はすでに仲良くしているように見える。
「北斗が書いたノートはどう思いますか?」
「私は赤みたいに青に執着してなーいー」
二人の会話を聞いて、マスターは笑う。
「まぁ、ゼリーに執着していーるー」
「だから、マスターはゼリーをたくさん作っていたのか」
俺と紫堂はハモった。
作るのであれば、もっと計画をもって作ってほしい。
赤が葵さんを迎えに行ってからの1週間。
コーヒーゼリーを1日6個も作っている。
紅茶のゼリーも1日に6個ぐらい作っていたと思う。
冷蔵庫に入らないから、1日1個俺が食べないといけなかった。
もちろん、マスターも。
マスターは気にせず、毎日食べていたが、俺は辛い。
紅茶ゼリーの存在も知らなかったから、毎日がコーヒーゼリー。
葵さんが来る日に合わせて、作って欲しかった。
「まぁ、私はいろいろと忙しいからいつこれるかわからなかったーのー。やっと今日来れーたー。赤も私を探すのに駆けずり回っていたかーらー」
聞いてもいない俺たちに葵さんは答えてくれた。
「お土産の分もたくさん用意してありますから」
マスターはニコニコという。
「ありがとーうー」
そんな二人の会話を見て、思う。
全部ゼリー持って行ってくれるかな?
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