3人が本棚に入れています
本棚に追加
REDは街外れに山奥にある寂しく存在している喫茶店。
今、俺たちがいるのはREDある場所とは無縁の住宅地街。
デートと言いながら、駅前とかお店とかに向かいそうな感じがない。
デートというより、散歩みたいな感じだ。
街中を歩いて、何があるのだろう。
葵さん、美人だから隣歩き辛いから、一歩ぐらい後ろに歩く。
俺が召使みたいな犬になっているみたいでご主人様にただついていっているだけのような気がする。
「ねーえー」
葵さんは俺を呼んでいた。
「あのアパート入らなーいー」
葵さんの目の前の建物。
赤いレンガのアパート。
オートロック式で家賃が高そう。
葵さん、ここに住んでいるのかな?
上品に和服を着こなしているから、どこかの立派なお嬢 さんであろう。
伝統を守っている仕事をしているような気がする。
"あおい"と言う名前なんだから、藍染とか。
もしかしたら、ろくろを回すような職人さんだったりして。
綺麗な顔に泥をつけた姿を想像するとかっこいいかも。
「北斗くーんー。はやーくー」
葵さんはいつの間にかアパートの2階がいた。
最初のコメントを投稿しよう!