秘密の部屋

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   「あいつだけなんだよな。ここに呼んでないのってさ」    祝樹荘の住民はここにいる四人と海鳴、それで全員のはずである。    「でも女性っすからね。大草さんみたいなもっさいおっさんには近寄りたくないんじゃねーすか」  「木場ぁ、いい度胸だなてめ。なら秋葉や樹はどうなんだよ?」  「お二人はもう神っしょ。寂しい大草さんに舞い降りた天使っす」  秋葉は大草の大学時代の後輩で、元々仲は悪くなかったらしい。  樹は、大草と木場だけだと少し遠慮させてもらうところだが、秋葉に誘われたので、この宴会に参加した。  「お酒とか飲むけど、だいじょぶだいじょぶ。大草さんはそんな度胸ないし、木場くんは彼女さんいるから」    「へえ、そうだったんですか」  さり気にひどいことを言っていた。
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