98人が本棚に入れています
本棚に追加
_____
________
_____________
「エルドおじさん!肉じゃが、美味しい?」
16歳になったレイは、男の子の割に小柄なのは、カエデの家系のせいなのかもしれない。
しかし、レイのスカイブルーの瞳はレオンの瞳を思い出す。
そして、妻のイリーナの瞳を。
「ああ、やっぱり、レイの肉じゃがは旨いな。」
私とカエデのことは、誰も知らない。
このことは、私が墓場まで持って行く秘密。そして、私の苦くて甘い、そして幸せな思い出。
そして、カエデやレオンの分まで、レイのことは守っていかねば。
それが、私が生きていく理由。
どんなことがあっても、レイの味方であらねば。
「当然だよ。母さんの味付けが一番だもの。」
"レイ、君の笑顔は、私の愛したカエデとそっくりだ。"
その言葉とともに、私はジャガイモをのみこんだ。
-Fin-
最初のコメントを投稿しよう!