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あいつら?
ミツルの視線は祐を見てるように思えて仕方ない。
混雑してきた電車内でふたりの姿はサラリーマンらに邪魔されて見えなくなっていく。
まさか、祐が処女狩りの餌食に?
できるかぎりの方法で見守ってきた恋を知らない祐が引っ掛かってもおかしくなかった。
「ミツル、その話、詳しく教えろ」
「はい?」
もしかしたら祐を狙ってるわけじゃないかもしれない。
違う女なのかもしれない。
焦りで背中に冷や汗が流れた。
「次の駅で降りる」
「わかりました。車を用意します」
ミツルの電話を横目にして祐の通勤電車を見送った。
祐の隣に立った男の顔をしっかりと瞼の奥に焼き付けた。
祐を傷つける奴は許さない。
許さない!
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