242人が本棚に入れています
本棚に追加
「…祐、今言うのは卑怯かもしれない。聞いてくれるか?」
「真さん、喋っちゃダメ!」
「いいんだ。…今、言わないと後悔する」
今しか言えない。
見守るだけでいいと思った。
それなのに、祐に相手ができたかもしれないとその笑顔を他に向けられた時、胸が張り裂けそうだった。
見守るだけでいいなんて、綺麗事だ。
それで満足なんて思えない。
俺は、欲しいものを欲しいと言えない臆病者だっただけだ。
傷つきたくないだけの。
だが、今は違う。
欲しいものは欲しいと口にできる。
俺は若頭と同じだ。
「祐、…おまえが好きだ」
最初のコメントを投稿しよう!