241人が本棚に入れています
本棚に追加
―――若
若の姿を見て、一瞬にして目の前の男の顔が土色になった。
「参謀、皇 榊」
「鬼神と言えば、俺だ。同じく参謀。天宮仁」
大神組のそうそうたるメンバーが揃って、奴らの胸ぐらをつかみ壁へ吹っ飛ばした。
眼鏡を飛ばされ頭を押さえて立ち上がろうとしたあの男を若が素手で殴り付ける。
顔が崩れ鼻血を噴き出して床に這いつくばった。
「真、立てるか?」
「は、い」
体を引き摺り立ち上がった。
涙いっぱい目にした祐を見てそっとその頬に触れた。
無事だった。
俺の一番に大切なもの―――
祐は、俺の―――命
胸に掻き抱いた。
もう離さない。離してやれない。
「―――愛してる」
最初のコメントを投稿しよう!