『若恋』禁断の恋 伍

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「俺らはこいつらをシメてから戻る。真、おまえはやるべきことがあるだろう?」 「はい」 若は笑った。 「後で、借りは返してもらおうか。おまえの祝い膳でも食わせてもらえれば」 早く行けと、騒ぎで警察沙汰になる前に祐を連れて行けと目配せして、無様に転がった男の胸ぐらをつかんで引き起こす。 「これは俺のシマで好き勝手なことをした分」 若が思い切り殴る。 「これは彼女の痛み。そしてこれは真が受けた苦しみの分だ!」 歯が飛び散りゲホッと吐き出した。 この手で殺したかった男を若が生きる苦しみでなぶる。 「若、」 「おまえと俺は似てる―――」 さあ、行け! 震える祐を上着で包み立ち上がり、雑魚を捩じ伏せる榊と仁の脇を抜けた。 ウインクした仁から、落としたおまえの車のだと投げたKeyを受け取った。
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