『若恋』禁断の恋 壱

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「この春に福祉関係に就職したでしょ?みんながとても親切でとってもいい職場を紹介してもらったってお父さんもお母さんも喜んでるの」 「そうか、よかったな」 「真さんのおかげだよ」 「別に、俺は知り合いのところを紹介しただけだ。でも働きやすいならよかった」 客間にケーキを運んでくる。 スカートが揺れる。その足はやっぱりビッコを引いている。 「無理はしないように…、あと、何か変わったことは?」 「新しい友達ができたの、りおさんって名前でね、福祉の仕事に興味あるんだって。すごく優しいの。話も合って」 祐の笑顔はこの5年で戻った。 この笑顔をずっと守っていくのが祐の足を奪った俺にできる償いだった。 新しい友達のことを楽しそうに話す祐に自然頬が緩んでく。 祐との楽しく優しい時間はあっという間に過ぎてく。
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