『若恋』禁断の恋 壱

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祐は変わらない。 俺を一度も責めない。 そればかりか俺の心配をする。 「また来る。今度は何がいい?フルーツがいいか?」 「甘いものがいいな。いちごとかさくらんぼのケーキ」 「了解。体弱いんだからな、無理はするなよ」 「もう。子供じゃないんだから!真さんの方こそ、無理はしないでね。お仕事、危険なことあるだろうから…」 「ああ、無理はしない。約束する」 祐に見送られて玄関を出た。 パタン ドアが閉まった瞬間に手が震え出した。 抱き締める寸前で我に返った。 ひとつひとつの仕草に冷静ではいられなくなる。 祐の人生を狂わせた。 それなのに、出会ってすぐに惹かれ想いは募ってく。 「…祐の足を奪った俺に」 あの夜、小雨が降りしきる中に広がる血。 倒れたまま動かない少女。 火を噴いた銃を握りしめた自分がいて――― 顔を上げると停めた黒塗りの車の脇には、訳知り顔の若頭が立っていた。 「真、もうここに来るのはやめろ」 衝撃のひとことだった。
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