『若恋』禁断の恋 弐

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―――――――――― ――――――― ――――― 「…告白、された?」 「うん、通勤電車で会う人なんだけど、今まで話をしたこととかなくて」 「…それで?」 「ひとめで好きになったって、おばあちゃんに席を譲ったのを見てたみたいで。付き合ってほしいって」 「………」 「真さん?」 いつかこんな日が来ることはわかってた。 祐はもう子供じゃない。 ひとりでやっていける。 恋だってする。それを止める権利は俺にはない。 「…そうか、そいつは優しい男か?」 「まだ会ったばかりでわからないけど、でもそう見えたから」 と、顔を赤らめた。 「真さんはどうしたらいいと思う?」 「それは」 他の男なんて見るな。 その電車にはもう乗るな。 好きだと言われたいならいくらでも好きだと言ってやる。 だから――― 「祐を大切にしてくれる男なら俺も安心だ」 心にも思ってない台詞が口から飛び出していた―――
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