交差する思案…

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確か3月頃だった。 俺の親友でしろの兄の凌駕が俺を呼び出したのは。 「わざわざ呼び出してすまないな」 これまた漆黒の髪にきっとした目付きスッと伸びた鼻にきゅっとしまった口。誰がどうみても美しい顔。身長もスラッと延びてモデルのようだ。 あぁこの兄弟はなんて罪作りな出で立ちなのだ。誰もが魅了されてしまう。 「いや、どうせ暇だし。お前が俺を呼び出すなんて珍しいな。しかも上京までしてきてさ。お前、地元じゃ1番手の大企業にいるくせに」 「有給がくさるほどあるしな。それにお前に頼みたいことがあって」 「えぇ、金ならねぇぜ」 「ふっ、生憎だがお前に頼むほど金には困っていない」
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