交差する思案…

4/9
前へ
/92ページ
次へ
「断る。俺お前の弟は苦手なんで」 少しずれた眼鏡をただしながら、 「随分はっきり言うのだな」 「いくらお前のたのみでも嫌なものは嫌なんで」 コーラを俺も飲み干した。 「はぁ、仕方ないな。それ相応のお礼を考えていたのだが」 「お礼?なんだ現金か」 自分でも顔つきが変わったのがはっきり分かった。 「金よりいいものだよ」 そう言うとすっとさりげなく小さな木箱を差し出した。 なにか神々しい。 「なんだこれ」 「開けてみろよ」
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加