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「陵先輩。また暗い顔してますよ」
俺を下から覗きこむ光る物体。
「うわ。あんまり近づくな。心臓に悪いわ」
薄茶色の天然の栗色の髪。透き通った色素の薄いしかししっかりと見据えた力強い瞳。絹のような白い肌。男のわりに華奢な体つき。
本当に同じ生き物かと疑いたくなるような光りまくる人間。
こいつとかかわりかれこれ十数年。未だに慣れず。
「すいません。思ったより遅くなってしまって、すぐにご飯用意しますから」
「あー、それはいいけどお前はいいの?毎日毎日飯作りにくるなんて物好きな奴。しかも材料費までお前持ちで」
「ははは、気にしないでください。どうせ作るなら二人のほうが作りがいがありますし先輩美味しそうに食べてくれるので嬉しいんですよ。お嫌ですか」
さらに気遣いができて料理上手ときた。
「いやいや。ありがてぇよ。お前の飯うめぇしバイト生活で今月もピンチだしな」
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