バカでごめんなさい

こんなのありか？

｢おまたせしました。お腹すきましたよね。おかわりあるのでたくさんお召し上がりください｣　

柔らかな微笑み俺はパッと目をそらした。
艶々の白飯、豚の角煮にほうれん草の白和え、自家製のキュウリと茄子の漬物に味噌汁。　　

どれも食欲をそそる盛り付けに香り。
｢うわー。うまそうーいただきます｣
手を合わせて早速角煮から口に頬張る。
口に含んだ瞬間とろける。くぅぅ、旨い。
旨すぎる。端正込めて用意したのが手に取るようにわかる。

そして俺が地味に好きな白和え。母さんの味に絶妙に似る旨さ。こいつなぜこの味を知ってるんだ。いつの間に…　　

怖い。こういうところがこいつの怖さだ。人の懐に入る混む強さとずる賢さ。しろが来ると母さんはいつも上機嫌だ。