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私は彼と部室に二人でいる、この部活で毎日来るのは二人だけだからだ。
彼はどこからみつけてきた古い民話の本を読むだけ。
私も……。
いや、明日の予習でもすることに。
でも、でも、少し空が見たい。
部室の窓を開けて空をみる。
半分だけ
右目を手で隠してみた。
半分の半分の空
毎日見るには半分の半分で良いな。
今日は彼と下校を友にしている。
べつにどちらかが言い出した訳でもなく。
しいて言えば彼が付いて来ている。
そう、私の中ではそうなっている。
たぶん、
少し、
だいたい、
細かい事は小さめにしている。
空を見上げると半分の空だ。
うん、朝降っていた雨の残りの傘を差す。
空は無くなった。
私は彼に傘に入るように言う。
心の中で……。
少し楽しくなった。
彼は知らない。
無くなった空も良いものだ。
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