最強と呼ばれる賞金稼ぎ

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 その大陸には幾人もの賞金稼ぎがいる。  その殆どはどこかの組織に属しているか、もしくは、貴族に飼われているかだ。  賞金稼ぎの仕事は、基本的に人でない者を討伐するのが目的である。素人が簡単に踏み込める職業でもないのも事実。それゆえに、この職種に就こうとする者達は、世間からは命知らずとも呼ばれ、敬遠されているのも確かだ。腕に多少の覚えがある猛者達が現れては消えていく。その中で、、最強と呼ばれる一人の賞金稼ぎが存在した。茶髪で赤と青の瞳を持つその賞金稼ぎは、他の賞金稼ぎ達が避けて通る仕事を受け、難なく仕事をこなし、その世界では知らないものがいないとまで言われている。但し、この賞金稼ぎはどこかの組織にも貴族にもついている訳ではなかった。元々、どこの生まれでどこからやって来たのかも知らないのである。  背は普通の一般男性よりも低く着流しに羽織姿という一風変わった服装をしている。その着流しの色が紫色である事から、彼の呼び名は『紫焔』と呼ばれていた。歳の頃は20代半ば位だろうと言われ、所持している武器は刀一本であった。  紫焔はフラリと集会所に現れては、危ない仕事を選び結果を残し、戻ってくる。中には彼も人間ではないのではないかという者達もいるくらいである。だが、それを確かめてやろうと思う者はいない。その訳は、この考えを持った者達が紫焔に挑戦をしたのだが、皆尽く返り討ちにあったのである。しかも、二度と武器を手にする事が出来ない程に。  紫焔の名は唯一最強の名として、この業界に轟いているのであった。  
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