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第3章 Destiny
僕の家は夏休みに入ると
毎年決まって家族で別荘へ出かけた。
普段医師として忙しく働く父の
せめてもの家族サービスのつもりだったんだろう。
子供の頃はそりゃ嬉しかった。
川で魚釣り。
サイクリング。
バーベキューにピクニック。
年の離れた弟が生まれてからも
しばらくは僕が遊び相手を務めた。
だけど大学に入学した今年。
「もう僕――行かなくていいよね?」
初めて断ったんだ。
正直
もう家族で過ごして楽しいって年じゃない。
だけど
「あら、ダメよ。毎年我が家の恒例行事じゃない」
「そうだ。彼女でも出来たんなら話は別だがな」
悪しき慣わしに縛られた
両親は強硬だった。
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