第3章 Destiny

2/23
78人が本棚に入れています
本棚に追加
/23ページ
それで――。 結局これと言って断る理由もなく 今年も行くことになったんだ。 「リカ、そんなにブスッとしないで」 「こういう顔だよ」 「ほらまた」 「してないってば」 出発の車の中から 退屈するのは目に見えていた。 「お兄ちゃん、携帯借りていい?」 「ダメに決まってんだろ」 求める物と現実は いつだって一致しない。 食べて眠って夢見てる間に 時間だけがあっという間に過ぎてゆく。 毎日 どこか諦め半分に思ってた。 このまま 胸をときめかせる出来事なんて何も起こらず 大人になってしまうんじゃないかって。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!