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それで――。
結局これと言って断る理由もなく
今年も行くことになったんだ。
「リカ、そんなにブスッとしないで」
「こういう顔だよ」
「ほらまた」
「してないってば」
出発の車の中から
退屈するのは目に見えていた。
「お兄ちゃん、携帯借りていい?」
「ダメに決まってんだろ」
求める物と現実は
いつだって一致しない。
食べて眠って夢見てる間に
時間だけがあっという間に過ぎてゆく。
毎日
どこか諦め半分に思ってた。
このまま
胸をときめかせる出来事なんて何も起こらず
大人になってしまうんじゃないかって。
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