第3章 Destiny

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だけど 運命は求める者に答える。 それは本当だったみたいだ。 「あら。隣の大邸宅――ついに売れたのね」 別荘に着いた途端 母親が目敏く見つけた。 もう何年もSALEの立札が出ていた隣の屋敷に 人の気配があることに。 「隣はプールもあるよ!」 「おい、やめろよ」 弟の理久(リク)が 羨ましそうに木陰からのぞいていると。 それに答えるように あちらから挨拶に訪れた。 「こんにちは。隣の別荘を購入した杉浦です――」 そこまで言うと 品の良さそうな夫婦は 「あら!」 「まさか」 後ろから現れた僕の両親を見て目を丸くした。
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