第3章 Destiny

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もてなしの支度に忙しい両親に代わって 玄関を開けた僕は。 「こんばんは」 「ああ、どうぞ……」 ワインボトルと百合の花束を抱えて 杉浦夫妻の後ろに立つ青年に 瞬時に目を奪われた。 「――息子なの」 夫人が少し気まずそうに言った。 「安寿(アンジュ)です」 それもそのはずだ。 どこぞのギャルソンと見紛う長身の彼は。 蜂蜜色の髪。 緑がかった瞳。 そして抜けるように白い肌。 純和風な雰囲気の夫婦とは 明らかに気色の違う異人種だった。
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