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お兄さんなら何か知ってるのかなと思って。
それでウジウジ悩んでるよりは聞いてハッキリさせてみようと、女子高生には似つかわしくないこのオフィス街にやって来たのだ。
「ちいちゃん、ハルから何も聞いてないのかい?」
「えっ、何もって?」
「っ…、そっか。ハルのやつ。」
お兄さんは独り言のように呟くと
「ハルが話してないのなら俺からは言えないな。ごめんね、ちいちゃん。だけどハルにちゃんと伝えておくよ。ちいちゃんが不安がっているって。」
「お兄さん…」
あまり会社にいるのも躊躇われるので曖昧に返事するとその場から立ち去った。
正直、家までの帰り道どこをどうやって帰ったのかハッキリしない。
ただ、ザワザワとこの前から感じいた胸騒ぎは大きくなるばかりで…。
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