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二人で一日中遊んでくたくたになった。
だけどとても心地良い疲れでこの前までくよくよ悩んでいた事が嘘のようだ。
やっぱり私が気にしすぎていただけなのかな?
だけどーーー
「先輩、」
お風呂から上がってこの小屋のサイズにあったカウチに座る先輩に声を掛けた。
ちゃんと聞かなきゃ。
それで、どんな話だろうと受け入れたい。
そう心に決め声を掛けたのに…
「ちい、今日は疲れただろ?ベッドルームはちいが使うと良いよ。」
「えっ…、」
「僕はここで寝るから。」
先輩の言葉になんて言ったら良いのか分からない。
タオルケットを用意して寝る準備をする先輩。
なんで?
先輩、なんで何も言ってくれないの?
「ちい?」
私がその場に立ち尽くしているのに気付いて先輩が呼びかける。
「先輩…、私じゃ駄目ですか?」
「えっ、どうしたの、急に。」
「急じゃないです。先輩が何か抱え込んでるの分かってます。でも、その何かが分からなくて…」
私が立ち尽くしていると先輩は自分の隣をポンポンと叩いた。
私はおずおずと先輩の隣に座る。
すると、
「髪、濡れてる。」
そう言って私の手からタオルを取り上げガシガシと拭いてくれた。
私はただじっと俯いてされるがままだ。
「あの時を思い出すね。」
先輩は手を止めることなく私の髪を拭きながら話す。
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