122人が本棚に入れています
本棚に追加
「ど、うして…」
泣いちゃだめ。
ちゃんと話さなきゃ。
ううん、ちゃんと聞かなきゃ。
先輩が抱え込んでいる何かを。
逃げずに受け止めなきゃ。
「先輩…、私、先輩の事が好きです。だから先輩の笑う顔が見たいんです。最近の先輩、どこか遠くを見ているようで…。私じゃだめですか?私じゃ力になれないですか?いきなり別れようだなんて納得できませんっ。」
「ちい…」
先輩が苦しげに私を見る。
「先輩、忘れたんですか?私、先輩の家族の事もちゃんと受け入れる事出来てますよ。そりゃ、まだ少し驚く事もあるけど…もう大抵の事には驚きませんから。」
先輩の目を真っ直ぐに見ながら伝える。
言葉以上にこの思い届けと。
「ごめん…そうだね。ちいは僕の家族の事も受入れてくれてるもんね。ちい、ちゃんと話すよ。」
私は小さく頷いた。
最初のコメントを投稿しよう!