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「留学しようと思う。夏休みが明けたら。」
「えっ、留学?」
どんな話でも受け入れようと構えていただけに少し拍子抜けしてしまった。
「うん。アメリカに行く。留学して大学もそのまま向こうで行く。語学力をもっと身につけたいのとそれからビジネスの勉強もしたいんだ。」
「ビジネス…?」
「ああ、僕も何れは夙川ブループの一員として兄さんを助けたいと思ってる。」
そっか…
先輩、将来の事、ちゃんと考えているんだ。
まだ高校生なのに。
私なんて進路すらまともに考えた事ないよ。
でも…
「留学って事は四年間は向こうに行ったままなんですか?」
遠距離恋愛になるって事よね…
四年間かぁ。
長いな。
こんなにも近くにいる先輩が遠くに行っちゃうなんて…
けれど先輩から帰ってきた言葉は私の想像を遥かに越えていた。
「ちい…今のところ、帰ってくる予定ないんだ。」
帰ってこない?
先輩が?
アメリカに渡って…それっきりってこと?
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