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「ちい?」
「…ごめんなさい。驚いちゃって…」
「うん。僕の方こそごめん。何の相談もしないで勝手に決めちゃって…」
先輩が…いなくなる。
いつだって私の側にいて、スーパーでスペシャルな笑顔をくれていた先輩が…
もう会えないの?
そうだ、先輩の家族は?
あんなにも先輩の事を大事にしてるんだもん。
留学なんて…
「先輩の家族はいいんですか?先輩が一人で留学とか。」
「反対されたよ。あの家族だもん。」
苦笑いをしながら先輩が言う。
「だけど、僕の気持ちをちゃんと伝えたんだ。体の弱かった僕がこんなにも強くなれたのはみんなのお陰だからね。だから次は僕が夙川家の為に力になりたいんだ。その為には一度、ここを離れなきゃって思ったんだ。ここをね。」
「先輩…」
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