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「ひいっ!!」
思わず変な叫び声を発し、目を点にしていると
「気にしなくていいのよ。」
と、お母さん。
いや、気にしますよね、フツーは。
「あぁ、うちはこう言うのオープンな方だからね。私と母さんだって毎朝…なっ?」
お父さん、その情報、今話す必要ありますか?
「あら嫌だ、お父さんたらっ。」
そう言いながらも満更でもない顔でお母さんがお父さんの肩をビシバシ叩く。
「良い年こいてイチャつくなよ。ホント仲いいよな、うちの両親は。」
お兄さん、感心してる場合ですか?
そして、また3人で何事も無かったかのようにベラベラ喋り出した。
意外すぎる出来事にしばし、フリーズしていたけれど、そうだ、先輩っ。
何か言ってくださいよ、この状況、おかしいですよね?
先輩に熱い思いを込めて見つめる。
「もう、みんな止めてよね。」
溜息を付きながら先輩が言う。
そうそう、そうですよ。
ここは先輩からビシッと!
「ちいのキス顔は僕だけのものだよ。」
先輩、何だか違う気がします。
そこ取り敢えず怒る所じゃないっすか?
うん、怒ろうよ。
部屋から出ていけよぉ、とか言っちゃいませんか?
えっと…駄目だなこりゃ。
「先輩、ちょっとお話が…」
「ここじゃ…」
「ダメですね。」
私のただならぬ気配を察して
「そっか。じゃ庭にでも行こうか。」
そう言うと、うちの近所の公園より全然広い庭に連れていかれた。
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