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あの時の先輩の言葉を思い出し納得するもののーーー
「それにしても凄くないですか?」
話をちゃんと聞いてなかったにしてもこの状況はさすがに凄いと思う。
やっぱり、フツーじゃないよ。
すると先輩は
「僕はね、生まれつき体が弱かったんだ。そんなに長く生きられないかもって言われてた。」
「えっ!?本当に?」
「うん、本当だよ。今の僕からじゃ想像できないだろ?」
「はい…」
だってあんなにスポーツ万能だし…
誰もそんな風には思わないよ。
「でもね、何とか難しい手術を受けて漸くまともな体になれたんだ。そしたら今まで我慢してた反動で色んな事をしたくなった。」
少し遠くを見つめながら先輩がぽつりぽつりと話す。きっと、当時を思い出しているのかも。
「それでね、スポーツも上手くなりたいって父さんに言ったら元オリンピック選手や現役のスポーツ選手を家庭教師に呼んでくれたんだよ。」
「げ、現役のって…」
スケールが違う。
「あぁ、そうそう。うちこう見えてお金持ちなんだ。」
でしょうね。
この家見れば大概のアホでもわかりますよ先輩。
とは言えず、
「そうなんですか。」
と相づちを打つ。
「知ってるかな?夙川グループってあれうちの会社だから。一応、父さんが会長でつい最近兄さんが社長に就いたんだ。」
「えっ、夙川グループ…」
夙川グループと言えば国内、いや世界にも通用する大企業。
確かに名前から想像も出来たかもしれないけれど、先輩がそんな立派なお家のお坊ちゃんだったなんて…知らなかったよ。
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