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全く無くなった訳じゃないけれど、一時期に比べると私の事をどうこういう人も減ってきた。
と言うのも先輩がーーー
「ちい、おはよう!!」
「ちい、授業で分からないところない?」
「ちい、お昼一緒に食べよう。」
「ちい、掃除手伝ってあげる。」
「ちい、一緒に帰ろう?」
「ちい、」
「ちい、」
「ちい、」
「先輩っ、あの、休み時間ごとに来なくていいですからっ!!」
「え…迷惑だった?」
「いえ、迷惑って事はないですけど…」
もぉ…なんでそんな悲しそうな顔をするのよ。
先輩が来ると周りの視線が気になるから、言っただけなんだけど…。
「ちい、王子の気持ち分かってやれよ。ほら、最近、露骨にちいの事、とやかく言う奴減っただろ?」
隣からユズカが呆れたように言う。
「そう言われてみれば…確かに…」
「王子なりにあんたの事、守ってんだろ?そうっすよね?」
ユズカが先輩にいうと
「うーん、確かに守りたいって気持ちはあるけど、湊さんにちいを独占されたくなくて…って言うのが本音かな。いつもちいの隣にいるよね?」
先輩、目が笑っておりませんねぇ…
「アホらし。」
ユズカはそう言うと行ってしまった。
「よしっ、これでちいの事、独り占めできる。」
「うわっ。ちょ、ちょっと先輩、ここ教室っ。」
先輩に思い切り抱きしめられた。
みんなが見てるよ…。
だけど、やっぱり嬉しい。
とまぁ、こんな感じなので段々と周りも何も言わなくなってしまったという訳。
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