番外編【生駒 順の独り言】

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今日も朝からアイツはうるさい。 委員会がどーだこーだ。 文化祭を成功させなきゃだとか、 ちゃんと考えてくれなきゃ困るだの… あーうるせぇなぁ。 わかってるっつーの。 だけど不思議と嫌じゃないんだよな。 こいつにこんな風に言われるのは。 本当は委員会なんて出る気がなかった。 それより練習試合近いし今はサッカーを優先したい。 だけど… まぁ、こいつが熱心に言うから部活前に少し出てやった。 その委員会とやらに。 にしても目の前のコイツは浮かれてる。 人には大事な文化祭を決めるための集まりだとかなだとか言いながら コイツはさっきから彼氏の話ばかりだ。 どうやら相当彼氏に夢中らしい。 ムカつく。 なんか、ムカつく。 浮かれてるこいつ見てるとイラッとするから嫌みのつもりで言ってやった。 「へぇ…それほど立派な彼氏とやらは一体何様だよ。」 ほらな、コイツすっかり自分を見失ってやがる。 オレの嫌味なんか何とも思ってない。 照れることもなく堂々と言いやがった。 「私にとってサイコーの愛しの王子様よ。」 って。 はぁ? なんだよ、その笑顔。 そんなめちゃくちゃかわいい笑顔で言うなよ。 バカだな、お前。 そんな顔してるとオレお前の事を…… って、 一体どーする気なんだ、オレ?
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