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いざザルツブルクへ
休みなんてほとんどんかった。大学院修士2年目は、連日研究室でデータを取り、発表用の資料作成、英語の勉強、やることは腐るほどあった。何がともあれ、本当にザルツブルクに行くことになってしまった。初めての海外である。今回は、吉川先生と先輩の羽鳥さん(仮名)、後輩の山中(仮名)、合わせて4名で行くことになった。飛行機のチケットがうまく取れず、というかすっかり取るのを忘れていた私と山中が、学会の少し前にザルツブルク入りすることになった。二人とも初めての海外である。飛行機は苦手だった。生まれて初めて乗った飛行機は激しい飛行機酔いでノックダウン。今度はおよそ11時間半ものフライトとなるわけだが、何故かまったく酔わなかった。ただ、とても退屈であった。いったい、いつになったら着くのであろうか?飛行機の中の過ごし方もまだ分かっていなかった自分にとっては、この長時間フライトはただただ退屈なものであった。時折席から離れて窓から眺める景色が唯一の暇つぶしだ。ヨーロッパへのフライトの大半はロシア上空を飛んでいる。この広大な土地を持つ国だが、そのほとんどが手付かずの大自然いったところだろう。
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