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【モブにボコボコにされた後のパーシヴァルの話】
「パーシヴァル、囮お疲れ様。反撃しても良かったのに」
無理矢理顔を上げさせられ、蒼い瞳が自分を見据える。俺自身は体を動かす余裕すらないというのに彼はそう言って笑った。
「あの数相手に、反撃する余裕なんてありません……ぐっ、クロヴィス様、左腕……折れてるんでっ、あまり掴まないで下さい」
「の割には利き腕を守ったり五感に関わる器官への攻撃は全て避けてるじゃないか。奴らはそう言うのを狙うものなのに」
そう言うと彼は俺を軽々担ぐ。笑ってるのが目に入り、思わず「どうしたんですか」と尋ねてしまう。彼は俺の瞳を見つめた後、「いつも4分の3くらいのパーシヴァルはいつもこういう任務で死んでるか使い物にならなくなってたからさ、嬉しいんだ」とくすくす笑った。
「……なるほど」
ちょっとやそっとでは動じなくなってきた自分に慣れを感じていると「ああ、逃げた奴らの一人に発信機と盗聴器をつけたのは君が初めてだよ。お手柄だねパーシヴァル。今、全員の始末が完了したよ」と携帯端末をクルクルと回しながら彼は言葉を吐いた。
「癖みたいなもので」
「……日本ってそんなに物騒なの?」
日本が、じゃなくて俺がいた高校の部活が、というより上司が――かな。
それでもこの一瞬で全員始末されたのは初めてですけどね!!!アヴァロン怖っ!!
★
特に攻撃できないわけではないけど普通の人間ってことでわざと油断させるという手も使えるね。
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