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碧羽の科白に益々脂下がる凜。
なんて浅はかなことを……この場に漸がいれば、そんなやくそくは即刻クーリングオフさせていただろう。
「じゃあ行こっか」
「うん♪」
ふたりなかよく連れ立ち、一路デートへとくり出した。目指すは翡翠ヶ丘を一望できる広場、ふたりが通う学園都市の近くである。凜はそこで碧羽とピクニックを所望なのだ。
もみじも色づく秋の広場。きっと心地よい一日が送れるだろう。料理上手な碧羽が朝からがんばって、凜のためにお弁当も作ってくれた。此れには感動に打ち震える凜であった。
「荷物持つよ。朝から僕の我が儘で、お弁当作らせちゃってごめんね? 大変だったでしょ。でもすごくうれしい♪ ありがとう、碧羽」
「ううん、わたし料理するのけっこう好きだから、気にしないで。凜によろこんでもらえて、わたしもうれしいから」
なかよく並んで歩く凜が、碧羽のとなりでプルプルと震えている。
(かわいすぎるよね……ほんと、もう……押し倒したい)
煩悩がダダ漏れであった。
大よそ爽やかな秋には相応しくのない、凜の下心丸出しのデートのはじまりである。
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