◆癒やし屋

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あの殿方の声だ。 声を聞いたときに若いって分かっただろうに、 恥ずかしさで気がつかなかった。 待つもなにも、私は動けないのだ。 殿方が私の携帯やバッグをカゴにいれて持ってきてくれた。 「はい。これ。」 「次は、足を出してね。」 保冷剤とタオルで手際よく私の足を冷やしてくれている。 「捻挫のときはまず、冷やすことだよ」 「時間はこっちで計っておくから、あんまりにも我慢できない  ようなら、早めに言ってね」と言い残して、奥へ引っ込んでしまった。 「はぁ~」 やっと出たため息。 「そうだ!職場に連絡しなきゃ。」
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