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あの殿方の声だ。
声を聞いたときに若いって分かっただろうに、
恥ずかしさで気がつかなかった。
待つもなにも、私は動けないのだ。
殿方が私の携帯やバッグをカゴにいれて持ってきてくれた。
「はい。これ。」
「次は、足を出してね。」
保冷剤とタオルで手際よく私の足を冷やしてくれている。
「捻挫のときはまず、冷やすことだよ」
「時間はこっちで計っておくから、あんまりにも我慢できない
ようなら、早めに言ってね」と言い残して、奥へ引っ込んでしまった。
「はぁ~」
やっと出たため息。
「そうだ!職場に連絡しなきゃ。」
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