◆癒やし屋

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なにやら良いにおいがしてくる。 そうだ。私は今朝急いでいて朝食を食べられていなかった事に気がついた。 安心したのか、急激にお腹が空いてきた。 『グ~グルグル』とお腹の音が外まで響きそうなぐらい鳴っている。 「ケガに良いスープだからね」 野菜やら具だくさんなスープを運んできてくれた。 「えっ、良いんですか?」 「いいもなにも、もう作っちゃったし、運んできてますけど?」 「あっ、なにから何まで、すみません。」 本当に良い香りがしている。なにかしらの香草なんだろうけど、 よく分からない。 高級なホテルの朝食って感じがする。 よく澄んだ色のスープ。黄金色をしている。 太陽の光を反射させて、キラキラと輝いている。 息を吸うと、香りがスゥッと心を内側から広げてくれるかのようだ。 ―― しあわせ ―― ふと心に思いついた言葉だった。
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