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なにやら良いにおいがしてくる。
そうだ。私は今朝急いでいて朝食を食べられていなかった事に気がついた。
安心したのか、急激にお腹が空いてきた。
『グ~グルグル』とお腹の音が外まで響きそうなぐらい鳴っている。
「ケガに良いスープだからね」
野菜やら具だくさんなスープを運んできてくれた。
「えっ、良いんですか?」
「いいもなにも、もう作っちゃったし、運んできてますけど?」
「あっ、なにから何まで、すみません。」
本当に良い香りがしている。なにかしらの香草なんだろうけど、
よく分からない。
高級なホテルの朝食って感じがする。
よく澄んだ色のスープ。黄金色をしている。
太陽の光を反射させて、キラキラと輝いている。
息を吸うと、香りがスゥッと心を内側から広げてくれるかのようだ。
―― しあわせ ――
ふと心に思いついた言葉だった。
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