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先生は優しい。特に、人に対しては甘い過ぎるぐらいだ。
人の為に、人の為にと何でも出来ることはしてしまう。
怜美(れみ)との出会いの時もそうだった。
足を痛めた怜美に包帯し、食事を提供し、彼女を翌日には
スッキリ元気な気持ちで出社させることに成功している。
受け止める度量があるのか、懐が深いのか、
大抵の女性は、先生に会うとコロッっと心を持って行かれる。
いや、先生に出逢った人は、女性でも男性でも、元気になるのだ。
先生を感じると、笑顔になる。
怜美(れみ)はまさに「既読」の文字をみて笑顔になった。
――― 先生が帰ってくる ―――
そう素直に感じた。
ただそれだけで、世界中が明るくなった。
雨足も弱まり、虹が掛かった。
『もう大丈夫。』
怜美に不安は一遍も残っていない。
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