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確かに天候も悪かった。飛行機も欠航。
電話もLINEでも連絡がつかなかった。
24才の行方不明と思われていた女性とも
もちろん一緒だった。
「パワースポット良かったよ」
屈託無く笑うその笑顔を殴ってやりたいと怜美は思った。
愛情は時に憎しみに変わる。
怜美にもお土産あるからと、少しは心配してくれていた
そぶりをみせてくれたところは嬉しかった。
だけど、お土産の内容が良くなかった。
「水?」
「そう、水。縄文水!有名なんだよ!」
「木?」
「そう、木。屋久杉っていったら木でしょう」
年頃の乙女にはどれもピントがずれているようにしか感じない。
自分のお土産としては焼酎を買ってきていた。
先生が酒を飲む姿を見たことはなかったけれど、お酒が好きだという事は
この店のお客ならば誰しもが知っている事だ。
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