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怜美は24才の女性の事は何も聞かなかった。
聞きたくもなかった。
きっと何事もなかったとは思うけれど、
それを聞く勇気も、心も強くはなかった。
先生が誰かと一緒に時間を共有していたって事だけで、
小さな胸が張り裂けそうになるのには十分だったからだ。
今は先生が自分の事をどう思っているのかを
考えることは出来なかった。
そっとしておいてほしかった。
考えすぎて現実がはっきりすればするほど、
自分を惨めな女なんだと強く感じてしまうに決まっている。
そっとしておいて欲しい。
そうしていてくれれば、また、数ヶ月したら
きっと笑顔になれると怜美自身の心が言っていた。
だが、
先生はそっとはしておいてくれない性格だ。
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